秋の木星2009年09月08日 22時58分43秒

木星(ミューロン180直焦点、ToUCam2)2009/9/5夜
ここに来て、夜も晴れが続くようになってきた。
でも月が明るいので、ベランダで惑星の撮影を行った。
新しくWebCamのQ7500を導入したが、画素数と感度は上がったものの、明るさとホワイトバランスがうまく設定できず、思うような撮影ができていない。試行錯誤をしているが、どうも撮影ソフトに問題があるように思う。
ここは、以前使っていたToUCamにもどして撮影を行った。木星は明るいので、感度は十分だ。
写真は、9/5の夜の撮影。撮影を始めたのが遅かったのと、Barlowを使った拡大撮影を始める前に曇に覆われてしまったので、等倍の撮影だけしかできなかった。
眼でみてもシーイングは良さそうで、実際、模様がしっかり写っていたので、拡大が使えなかったのが残念だ。
次は大赤斑が向いているときに、Barlowレンズを入れて拡大して狙いたい。

Cable Sling2009年09月08日 23時32分35秒

Obsession 18"UCの光軸合わせで、鏡筒の角度を変えると光軸が少しずれるので、今ひとつ精密に合わせることができていなかった。30度くらいから垂直近くに起こしてゆくと、レーザーコリメータのスポットが、フォーカサーのところで数mmくらい移動する。最初はトラスのゆがみを疑ったが、トラスの固定ねじを締めても、この傾向は変わらない。この鏡筒の角度の変化によるずれは、不規則なものではなく、ほとんど完全に再現している。このため、垂直近くで合わせると、水平に近いところでは光軸がずれることになってしまっていた。実際に、焦点内外像も角度によって変化していた。
Obsession Usergroupの記事を見ていたら、同じ症状が報告されていて、原因はミラーを保持しているSlingの伸び縮みと指摘されていた。この解決には、Glatter Cable Slingへの交換が有効ということだった。18" UCの主鏡は9点のフローティング保持の上に乗っている(本当に乗せてあるだけ)。その周りに、KevlarのSling(幅5 cmの厚い布テープのようなもの)をU字型に回し、鏡筒を傾けた時にはミラーを吊って支えるようになっている。記事によると、鏡筒を倒して、ミラーの重みがSlingにかかったときに、わずかにKevlarが伸びるということらしい。Kevlar Slingとそれを巻き取っているボルトを、金属のワイヤーと専用ボルトの組み合わせに取り替えると、これが改善されるということだ。光軸ずれの原因には、他にトップリングの変形もあるようだが、こちらは自分の18" UCでは起こっていないと思われる。
同じ記事に、入手方法もでていた。製造元のHowie Glatterさんは、レーザーコリメーターなどを作って販売している方で、Cable SlingはWebページ(http://www.collimator.com/)には出ていないが、直接e-mailを送れば注文できるということだった。
早速、Glatterさんに日本から注文できるかどうかの問い合わせメールを送ると、数時間後には、親切な返事がきて、これからWebページに載せる予定の解説とともに、Cable Slingはボルトの太さで2種類あり、18" UC用は1/2"タイプで$200(送料$13)であること、支払いはクレジットカードやPayPalも可能ということだった。PayPalを使うこととして、すぐに注文した。現在は、売り切れだが2週間程度で用意できるので、用意ができたらすぐに発送するとの返事が来た。今月の連休には間に合わなさそうだが、楽しみだ。

木星(1)2009年09月13日 22時16分18秒

μ180直焦点、ToUCam2 (木星本体と衛星は同じ画像の明るさを変えて合成)
9月10日夜の木星。先日は、雲がでてきたのと、大赤斑が見やすい位置でなかったので、再度、挑戦した。雲はあったものの、午後10時半に大赤斑が子午線通過だった。
ちょうど衛星が木星の近くに来ていて、直焦点等倍では視野の中に3つのガリレオ衛星が入っている。視野の左側にはCaristoも見えていた。
衛星を見やすくするため、木星本体の外側部分に、明るさとコントラストの強調処理を行っている。
大赤斑の近くの黒い点は、衛星Ganymedeの影だ。

木星(2)2009年09月13日 22時23分51秒

μ180直焦点、x3 Powermate、ToUCam2
同じ9月10日夜の木星。今回は、x3 Barlowで3倍の拡大撮影も行った。大赤斑とGanymedeの影がはっきり捉えられた。特別な画像処理はしていないが、右側にGanymedeそのものも写っている。薄雲がかかっているだけでなく、シーイングがあまり良くなく、拡大して眼視すると、像は激しく揺らいでいた。

Cable Sling2009年09月23日 13時10分19秒

Glatter Cable Slingを取り付けた18"UC
Glatterさんに注文していたケーブル・スリングが届き(9/20)、さっそく取り付けてみた。ちょうど、今晩観望することにしていたので、偶然とはいえ、ぴったりのタイミングだ。
宅急便ではなく、US Postの国際小包の配送だったので、手渡しでなく、アパートの郵便受けに直接入っていた。
中身は、ケーブルを取り付けるボルト(ワイヤーを受ける金具付き)2本、ワイヤー、ワイヤーの締め金具2組(1組はすでにワイヤーに付けてループになっている)、ワイヤーを固定するベルクロテープの小片6組、ミラーのサイドを保護するボルトに直接ミラーが当たらないようにするプラスチックの筒状部品2本(元の部品はただの筒だが、これは径が大きくボルトを通す穴が偏芯している)、締め金具のナットを締めるナットまわし、説明書だ。
機構が単純なので、説明書に絵はないが、特にわかりにくいところは無かった。ミラーのサイドにワイヤーを這わせるために、小さなベルクロテープを貼って位置を固定するようになっている(ワイヤー自体は長さ方向は自由に動く)。ミラーの厚さ方向でどの位置に這わせるかが重要だそうだ。ミラーの厚さの半分よりも少し後ろになる。説明書に計算式もあったが、データを入れると計算してくれるサイトが紹介されていて、18" F 4.2のミラーの場合、52 mm の厚さに対して24.4 mmということだ。
Kevlarのスリングに比べて、ミラー位置は安定しているようだ。だが、鏡筒の角度を変えた場合の光軸ずれは半分くらいにはなっているようだが、完全には解決されていない。観望から帰ってから、部屋で組み立て、チェックしたところ、以前の半分くらいになっているようだ。
トラスを接合するつまみ付きねじやボルト類の増し締め、ポストやトップリングのゆがみをチェックしてみた。トラスを構成するポスト(6本)、およびミラーボックスとの接合部にはゆがみなどはほとんど無い。しかし、どうもトップリングに力が加わると、トラスに対して、トップリングの作る平面にゆがみが生じるようだ。
18"UCのトップリングは、普通のドブソニアンに多い円筒状ではなく、平らな木の板をリング状に切り抜いた様な構造をしている(断面の幅5 cm x 厚さ2 cm)。ポストとは3点で結合しており、つまみ付きのねじで留める接合部自体は、しっかり固定されている。しかし、接合部の間の120度分が、ポストに対して垂直から、上下に少しゆがむ様だ。トップリングにはフォーカサーやファインダーが乗っているので、この重さの掛かり方が鏡筒の角度によって変わるために、鏡筒の角度によってトップリングがゆがみ、同時に、スパイダーでつながっている斜鏡の角度がわずかに変わるようだ。厚さ2 cmの木の板がゆがむにしては、載っている加重が小さすぎる(角度による変化分はさらに小さい)ようにも思えるが、リングに力をかけると鏡筒の角度を変えたときと同じ方向に光軸がずれているので、これが原因と思われる。
結局、鏡筒の角度による光軸のずれは、スリングの交換で少し改善されたものの、それ以上は、トップリングの部分に何らかの補強(?)が必要と思われる。