18"UCの光軸ずれの様子2010年03月05日 21時52分37秒

光軸ずれの様子(アルミトップリング、補強なし)
ClassicタイプのObsession 18"を使われている方から、コメントをいただき、光軸ずれの程度を質問されたので、写真を載せます。
元の木製のトップリングから、アルミ合金(厚さ約5 mm)に変えただけの状態です。光軸ずれの大きさは、元の木製とほぼ同じです。
垂直から、ほぼ水平にまで倒すと、センターマークぎりぎりくらいまで移動します(約1 cm)。とても再現性は良いようなので、「ある角度の状態で、しっかり合わせる」ことは可能なはずですが、星像で確かめてはいません。
原因がわかる前に、実際に星を見ていた時には、(私の経験が浅いせいもあり)球状星団などが、いまひとつシャープに見えないと思う程度でした。ただ、恒星で焦点内外像を見ると、同心円からのずれがはっきりわかり、完全には合わせられませんでした。
現在は、トップリングとトラスの結合位置をずらし、アングル板で補強もしているので、この半分位(数mm)にはなっていると考えています。最後の補強の後は、まだ、レーザーでチェックをしていないので確認はまだです。
中低倍率では問題なく、またシーイングが良くなければ高倍率は使えないのはわかっているのですが、ミラー自体は良いようなので、くやしくて、改造を続けています。
古い記事にも書きましたが、ミラーを保持するスリングは、ケーブルスリング(Glatterさんから購入)に変えています。これ自体は、見た目がきれいなのと、運んだりしてもミラー位置が安定しているので、とても気に入っていますが、光軸ずれの改善効果はありませんでした。

トップリングとスパイダー周辺2010年03月06日 18時03分33秒

フォーカサー取付板の先端と3点スパイダーの先端をワイヤーで連結し、張力をかけることで、トップリングのゆがみを減らすというアイデアをいただきました。
フォーカサーの取付板はアルミ合金で1 cm位の厚みがあるので、ここにM3くらいの小さいネジを植えて、斜鏡を保持しているネジ棒(太さ1cmくらい)の間に、細めのワイヤーとターンバックルで張力をかける、といった方法が考えられます。すぐには実行できないが、検討してみます。
スパイダーの根元のゆがみの可能性についてもご指摘頂きましたが、厚さ1 mm位の(おそらく)鉄板を90度曲げて、トップリング取付部を作っています。3点支持になっていることと、結構硬い板のようなので、ここのゆがみは考えにくい感じです。逆に、ワイヤーでテンションをかけても、斜鏡位置のゆがみは少ないかもしれません。

トップリングの変形2010年03月07日 23時06分06秒

トップリング付近の模式図と変形の様子
SN01847/L106-41さんが、トップリングの変形について、要素に切り分けて考察してくださった(SN01847/L106-41さん、ありがとうございます)。
私自身がこのやり方(単純な形状、変位と変角に分けること)に慣れておらず、そのままではわかりにくかったので、自分なりに理解したところを絵に描いてみました(細かい寸法は、正確ではないです)。
寄与が大きそうなのは、B部分の変形によるフォーカサー角度の変化(図の5)と変位(図の4)ということでした。これは、実際のトップリングのフォーカサー辺りに手で荷重をかけたときの感じとも合っています。
これまでやってきた、(1) Bの長さを短くする、(2)B部分の剛性を上げる、という方針は、今のところ不十分な結果しか得られていないものの、方針としては間違っていないようです。

トップリングの変形の考察2010年03月09日 21時10分34秒

utoさま、コメントありがとうございます。

utoさまのサイトは、光軸の合わせ方、役に立つ資料の紹介など、いつも参考にさせていただいています。

トップリングへのトラス取付金具は、ご指摘のとおりリングの外周側についています。リングの外周にリブのような構造があれば、もっと剛性が高まるのにと思います。金具自体は厚めの鉄材のようで、ネジを締めてしまえば、角度変化やガタはあまり無いように思います。ただ、トップリングのたわみよりも小さいだけかもしれないので、気を付けるようにします。
フォーカサーを取り付ける直角の部材(図では緑色)は、しっかりしています。

SN01847/L106-41さま、こんばんは

スパイダーとトラスの取り付け位置をずらすのは、ご指摘の通り、フォーカサーに加えて、スパイダーと斜鏡の位置も動くことが考えられます。ここは悩ましいところです。ずらした効果を確認する際には気を付けるようにします(でも、斜鏡ユニットがねじれるような複雑な動きになったりすると、訳が分からなくなるかもしれないです)。
ワイヤーについては、私は、最初の時点で、かなりテンションをかけるようなイメージを持っていました。でも、望ましい位置からずれようとするときに張力がかかればよいので、確かに低めのテンションですみそうな気がしてきました。なお、フォーカサーは、最初からFeather Touchが標準になっていました。

トップリングの改良(解決しました)2010年03月13日 20時17分13秒

改造後のトップリング部
18UCのトップリングのたわみによる光軸ずれを減らすために、フォーカサーと支点となるトラスポールの取り付け位置を近づける改造を提案してきましたが、効果の確認が遅れていました。

思い切ってトラスポールの取り付け位置を、フォーカサーのすぐ隣にしてみました。一方、スパイダーとフォーカサーの相対位置はそのままとしました。結果として、トラスとスパイダーの取り付け位置は一致しないことになります。

18UCを組み立てて、レーザーを主鏡のセンタースポットに合わせ、鏡筒の角度を変えるとレーザースポットは数mm移動しました。これまでの、アングル板による補強、少しだけトラスポール取り付け位置を移動させた場合に比べると、ほとんど改善がみられませんでした。

上記の改造については、SN01847/L106-41さんから、「トップリング上での、スパイダーとトラスポールの取り付け位置をずらす」ことは、新たなゆがみの原因となる可能性があると御指摘いただいていました。また、Galaxy OpticsのJHさんが、18UCに似ているコンパクトドブ(SKY18)を作られており、様々な光軸安定性に寄与する構造上のポイントが見受けられることも教えていただきました。

そこで、JHさんのSKY18に習い、スパイダー取り付け位置も、トラスポール取り付け位置と一致させるところまで、ずらすことにしました(添付の写真)。結果は、光軸の安定性が劇的に向上し、見た目上はレーザースポットはほとんど動かなくなりました(1 mm以下)。当然、フォーカサーに帰ってくるレーザースポットも移動しません。これでだめなら、ワイヤー方式しか無いかもしれないと思っていたのですが、この僅かな変化で、問題は一気に解決したようです。

SN01847/L106-41さんには、何とお礼をいっていかわからないです。スパイダーとトラスの取り付け位置を一致させることで、こんなに様子が変わるとは、全く予想していませんでした。私自身では絶対に解決できなかったと思います。ありがとうございました。トップリング補強板を提供していただき、改良を続けておられるCheyenneさんにも、早速、知らせようと思います。