夏−秋の空2010年07月19日 08時56分18秒

新月は過ぎてしまいましたが、梅雨明けということで、がまんできずに星見にでかけました。
場所は、いつも行く八方ヶ原の大間々駐車場です。月の入りが午後11時近くだったので5時ごろに、晴れの天気予報を信じての出発です(まだ雲がたくさん出ていました)。
上りの高速道路は渋滞(矢板で14 km)ということでしたが、つくばー八方ヶ原は、一般道で逆向きなので順調でした。一か所、矢板の近くで、お祭りの山車の通過待ちで10分位待ちました。
9時前くらいに到着しましたが、全くの曇り空で、淡い期待をもって、月の入りを待ちました。
10時過ぎころに雲の切れ間がでてきたので、温度順応も兼ねて、望遠鏡の組み立てを始めました。月が沈む10時50分ころになると、かなりの部分で雲が無くなってきました。結局、その夜は、12時過ぎには快晴の状態になり、風も無く絶好のコンディションになりました。
前回は導入装置が不調でしたが、今回はArgo Navis の立ち上げ時に"AUTO ADJUST ON"になるように気をつけてやったところ、とても良い導入精度になりました。狙った天体はほとんど視野に入っていました。ただ、"AUTO ADJUST ON"のモードでは残差表示が少し変わっているようで、定量的な比較はできませんでした。この辺は、マニュアルを読み返す必要があります。
開始が遅い時間になったので、夏から秋の星座を観望しました。雲はなくなっているように見えたのですが、淡い天体は見にくい感じで、球状星団や散開星団が中心の観望でした。ここは北天の方の条件がよいことが多いですが、今回は南天の方が暗かったです。梅雨前線が北方に残っているせいでしょうか。

印象的だったのは、下記の天体でした。
M3, M13: いつもどおりきれい。
M54: 小さいが中央部がとても明るい。
M11: 真ん中に、ひときわ明るい星(Sct β)が1個見える。
M57: いつもより大きく感じた。条件がよかったということか?
NGC7009: 青みがかって見える。模様や、耳があるようには見えない。
M15: 中央集光が鋭い。
M2: 大きいが、M15などに比べるとまばらな感じ。
NGC7331: 大きく明るい銀河。
NGC7662: 大きく感じるが、青みは感じない。
M52: 明るく、球状星団のように見える。
M31: 大きい
M33: 鏡筒を動かすと存在しているのはわかるが、ぼんやりとしている。
M2: とてもきれいで大きい。
NGC246: 青っぽく見えるが、最大倍率にしても小さい。
NGC457: 左下側に明るい星がある。

今回の反省点は、重量バランスと結露でした。
双眼装置をつけた場合はTOP HEAVYでしたが、今回は少し顕著で、45度以下に向けると、手の支えが必要になっています。重量自体は同じなので、前回の観望後にベアリングにワックスを付けたのも一因かもしれません。動き出しはなめらかになりましたが、静止しにくくもなったようです。ワックスについては、SN01847/L106-4さんから付け過ぎに注意するように教えていただいており、少なめにしたつもりだったのですが、もうひと塗りしてしまったのが余計だったようです。観望から帰ってから、ベアリング部を少しティッシュで拭きとってみました。もともと、ほんの少しだけしか塗っていないので、この操作で滑りに影響をあたえられるかどうかは不明です。
もう少し有効そうな対策として、(あまり重量を増やしたくはないのですが)鉛粒をいれた筒を、もう1本ミラーボックスに付けてみました。18UCに付属していた3本の筒のうち、残っていた2本の内の1本です。これで重量バランスが改善するのを期待します。
結露は、ヒーター部の電池の接続を忘れていたためです。半分くらい結露してきたところで気づいて、あわてて電池をつないだのですが、パイロットランプのLEDは点灯せず、動作していないような感じでした。一旦結露してしまうと、ヒーターでは除去できず、ドライヤー等がないとだめなようです。
LEDが点灯しないのは、電池を新しい006P(充電池ではなく、アルカリ)に交換しても同じでした。このヒーターは、外気とミラーの温度差を検知して自動的に通電する回路になっているはずですが、改めて、動作確認をしてみるつもりです。
そのこともあって、日の出には間があったのですが、2時過ぎに観望を切り上げることになりました。
薄暮までは1時間くらいはあったので、少し残念でしたが、久しぶりに星見ができてよかったです。

双眼装置の大きさ2010年07月29日 00時14分14秒

Denk II Newtonian用の構成
Denk II Super Systemについて、質問をいただいたので、一部についてお答えします。

Newtonianで使用する場合は、Newtonian用の延長筒を介してレンズを装着します。延長筒のネジは長めに作られていて、合焦しない場合は、この部分を完全にねじ込まないようにすることで、必要な筒外光路長を短くすることができます(ただし、バローの倍率は上がります。)。私の18"UCでは、延長筒を完全にねじ込んだ状態で合焦しています。

フォーカサーには、延長筒と延長筒がねじ込まれている黒い筒の部分のほとんどを挿し込んで使います。この筒の基部のところには、とても小さな取り付けネジがあるので、差し込めるのは、フィルターホルダまで1 mm位のところまでです。その結果、差し込める部分の長さは102 mmほどになります。

18"UCのフォーカサーの2インチ接眼部の長さは8 cm程なので、めいっぱい挿し込むと、22 mmくらいフォーカサーの先から飛び出してきます。少し主鏡への光路にかかっているかもしれません。

パワースイッチを変化させた時に必要なフォーカサーのストロークを確認するために、屈折鏡筒につけてテストしてみました。Newtonian用延長筒を使わない屈折・シュミカセ用の構成の場合ですが、
 1.26倍<-- 18 mm --> 2倍 <-- 15 mm --> 3倍
でした。倍率が大きくなるほど、フォーカサーを引き出す(光路長を長くする)方向に動かします。

ただし、これはNewtonian用延長筒を使わない場合の値で、写真のNewtonian用の構成では、
          2倍 <-- 13 mm --> 3倍
と少し小さくなります。残念ながらテストに使った鏡筒では、1.26倍では焦点を合わせられなかったので、1.26倍にする場合の移動距離はわかりませんでした。Newtonian用延長筒のねじ込みを緩めて17 mmほど伸ばすと、
          2倍 <-- 11.5 mm --> 3倍
に変化したので、おそらく、延長筒をつけたNewtonian用の構成で1.26倍から2倍にした場合に必要なフォーカサー移動距離は18 mmよりは小さいものと思います(18 * 13 / 15 = 15.6 mmくらい?)。

(倍率の訂正について 7/30)
この記事を最初に書いた時には、Newtonian用延長筒(スペーサーチューブ)をつけた場合の倍率を、1.36, 2, 3倍と書いていましたが、Telescoppier.jpさんのWebページで確認したところ、

Newtonian用延長筒あり(最短の状態で):1.26, 2, 3倍
Newtonian用延長筒あり(最長の状態で);1.3, 2.2, 3.3倍

でした。最低倍率を1.36倍と書いたのは私の誤りですので、修正しました。