すい星の話2011年07月10日 15時58分51秒

ようやく梅雨が明けて、星空の観望に復帰できました。
でも、月が明るくなっていて、月や土星を眺めています。
もしも1週間早ければ完璧だったのですが、これでも早めの梅雨明けなので、今月末の新月期が楽しみです。

今日(7/10)は、つくばエキスポセンターで、国立天文台の渡辺潤一教授の講演会「彗星の謎にせまる」を聴きました。
まず、先生が監修されたプラネタリウムの特別番組「旅する天体 ほうき星ストーリー」を見ました。キャラクターもかわいらしく、内容も流星の輝きを「燃えて」と言っていたのが少し気になった他は内容も正確でしたが、私にとっては、少し「小さな子供向け」過ぎると感じました。

講演は、エキスポセンター2階の展示室内のオープンなスペースで、20〜30人ほどのスペースで行われました。カジュアルな出で立ちの渡辺先生が、直ぐ目の前で講演されました。

先生は、サイエンスゼロなどのテレビで拝見したとおりの明晰な語り口でした。まず、3人の渡辺潤一(淳一)が居ることからスタートするなど、よりくだけた雰囲気でお話してくださいました(先生と、小説家の渡辺淳一のほかに、ミュージシャンで同姓同名の方がいるそうです)。

先生が予想しておられたよりも、小さな子供も聴きにきており、少し説明に苦心されておられるようでしたが、私にとっては、期待していたよりもレベルの高いお話で、とても楽しめました。下記のようなトピックスは、初めて知ったことばかりです。

・彗星に含まれる水のスペクトル分析で、スピン温度(オルト水素とパラ水素のこと?氷ができたときの温度に関係している)がわかり、その分析から、彗星の起源とされるオールトの雲の天体は、土星あたりでできた氷の天体が飛ばされたものだとわかった。

・彗星は汚れた雪玉のようなものだが、その汚れの成分には、絶対温度1000度以上の高温が必要な「結晶質のシリケート」が含まれているものがある。これらの彗星の経験したはずの高温について、3つのモデルが提案されているが、詳しく調べられた彗星が少なく、まだ決着がついていない。

・ディープインパクトなどの探査機が至近で観測した動画や写真を多数見せてくださった。彗星核は、小惑星イトカワにそっくりな「らっこ」型で、宇宙には「らっこ」がたくさんいるらしい。お腹の部分がなめらかで、その他がごつごつしていることまで似ている。また、太陽による彗星の成分の噴出についても、一酸化炭素が頭の部分から出ているのに対して、水はつるっとした表面のお腹の部分から出ているなど、いろいろ面白いことがわかってきた。

最後に、これから起こる天文現象についてお話があり、2012年には金環食、金星の太陽面通過、月による金星食があって、「金」の年ということでした。

これから見られる彗星についても、直近では、6等星くらいになりそうな彗星があるというお話に続いて、大変遠方で見つかった彗星が1等星くらいになりそうだということを紹介されました(C/2011 L4 PANSTARRS、急いでメモしたので間違っているかもしれないです)。明るくなるのは、、2013年3〜4月ということで、まだ先ですが、今からとても楽しみです。

質問についても、とても丁寧に答えていただき、聴衆が少なかったのがとても勿体無く感じました。

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