連休前の土星(5/1)2010年05月03日 18時29分47秒

土星(μ180、x3 barlowで拡大)
天気は良くなりましたが、月が明るく、今回の連休は惑星観望だけになりそうです。
ベランダの望遠鏡は風で揺れていましたが、前回より、少しだけ雲が薄かったようです。北極側の黒い点は、衛星(タイタン?)の影のようです。

薄ぐもり2010年05月05日 03時17分56秒

いちおう晴れの予報が出ているので、期待はできないとは思いながら星見に出かけました。今年はじめての大間々(八方ヶ原)です。改修の効果の確認と、重りの効果(鉛粒を詰めたパイプ2本を底部に追加した)が目的です。

光軸については、前回、すでに確認していますが、とても安定していました。ただ、水平エンコーダーに少し問題があるようで、次回までに確認しておこうと思います。Azimusをある程度大きく動かすと、3くらいのずれが出るようでした(どこかで滑っているような感じ)。

前回は、付属のカウンターウエイト2本を底部につけていましたが、より長いパイプ2本とカウンターウエイト1本の3本体制にしてみました。およそ1.5 kgの追加になっています。ただ、3本目(元のカウンターウエイトの内の1本)はスペースの関係で、すでに取り付けたパイプ重りに、さらにケーブルタイで取り付けたため、重みで下がりやすいことがわかりました。遮光板を小さい方を使えば、3本目は無くてもよさそうなので、外してしまおうと思っています。

前回の観望では、大きい遮光板をつかっていたこともあり、トップヘビーになっていましたが、今回は双眼装置やパラコア+2インチアイピースでも、お辞儀をしてしまうようなことはありませんでした。

肝心の空は、全体がうすぐもりで、背景が明るく、特に、銀河はうまく見えませんでした(M81だけ確認できた。M104はわからなかった)。これまでで一番空が明るかったように感じました。

土星や、M3やM13の明るい球状星団、M57、重星などを見て終わりにしました。双眼装置で見る土星はとてもきれいでした(輪が薄くて残念)が、球状星団は今ひとつでした。ちょうどそのあたりの雲が厚めだったようです。

天気は下り坂のようですが、これから月の出がさらに遅くなっていくので、次の晴れに期待したいです。

大間々(八方ヶ原)で星見(5/8)2010年05月09日 09時47分55秒

星見のための天気の確認には、Yahooのサイト(ほしぞら情報)を利用しています。NHKの予報では「朝晩はくもり」と言っていますし、ほしぞら情報でも関東は「夜は曇」の予報が多い中で、栃木北部は「ずっと晴れ」となっていたので、連休中のリベンジに出動しました。
しかし、大間々駐車場に着いても、空は10〜20%くらいに青い色が見える程度で、前回(5/4)よりは少しましなものの、またもや「くもり」でした(気象では、影ができるくらい雲が切れていれば晴れとなるようです)。
大間々駐車場
出発するときから、「ずっと晴れ」の天気予報にも関わらず、くもっていたので、あまり期待せずに、準備を始めました。八方ヶ原では、野うさぎやたぬきを見かけましたが、鹿もよく見ます。駐車場のまわりの林に鹿がいたので、望遠で撮ってみました。
鹿(駐車場の周りの林)
今回は、30 cm級?のシュミットカセグレンを持ち込まれている方(お名前を聞きそびれてしまったのでXさんとします)がおられて、声をかけてくださいました。
7時〜8時で暗くなってきて、ところどころ星は見えるものの、やはり薄く曇って、全体に明るい状況でした。特に南側はしっかり曇っており、予期はしていたものの、また惑星だけか?という感じでした。
ところが、10時ごろ?から、雲がどんどん薄くなってきて、(私の経験では)最高の状態になりました。足元も見えないといった暗さではないですが、もやが晴れたのと街あかりも暗くなったために、フィルターをかけてもかけなくても同じくらいの見やすさになりました(今回は、散光星雲は余り見てないので、球状星団や銀河を見た時の印象です)。
Xさんに見るべき対象をいろいろアドバイスしていただきました。特に、銀河については、淡い対象を見逃していることが多かったのですが、Xさんがシュミットカセグレンで「どんな風に見えるものなのか」を見せてくださったので、これまで見つけられなかったM100なども見ることができました。あらかじめ様子(広がりの様子、周りの星など)を頭に入れた上で、18"UCを覗くととても見つけやすかったです(Xさん、本当にありがとうございました)。また、黒目銀河の黒目については、自動追尾でじっくり見れるために、こちらの方が見やすく感じました。
今回、はじめて本格的に双眼装置を使うことができました。球状星団では、久しぶりに感動を味わいました。数年前に「50 cm(?)自作ドブ(高精度鏡)+2インチ双眼装置」で見せていただいたM13の立体感には及びませんが、気流が安定していたこともあり、細かい星々がはっきり見えてよかったです。錯覚らしいのですが、「球状」に見えるような感じさえしてきました。TELESCOPPER.JPさんから購入した双眼装置(Denkmeier II)は素晴らしいです。Newtonian用のバロー付きで、その他の光学的な品質も高いです。対象を捉えたままで、フィルターや倍率をワンタッチで変えられる機能は、「光量が豊富である一方で、鏡筒が動きやすいドブソニアン」には、非常にメリット大きい機構です。単眼に比べて低倍率は苦手(ただし、ほかの双眼装置に比べると、バローによる倍率の上昇は小さめと思う)ですが、覗きやすいので、今回はほとんど双眼での観望になりました。
また、光軸の安定化を図った後、きちんと観望出来る機会がなく、本当によくなっているのか心配でしたが、球状星団などの見え方もよく、安心しました。
唯一の問題は、前回明らかになった導入装置(Argo Navis)です。大きく位置を変えると精度がめっきり下がってしまい、近傍の明るい天体を手動で入れての再設定が必要でした。もちろん、対象の近くには導けるのですが、視野からは外れる程度にずれてしまうので、フラストレーションがたまります。以前、問題になったエンコーダ取り付けのゆるみなども点検しましたが、改善されませんでした。一度、明るいところで、エンコーダ周りをしっかり調整する必要があると感じました。

今回見ることができた主な天体です。
球状星団
M3(双眼できれい)
M13(一番大きい、とても見栄えがする)
M5(M3よりも明るく感じる、結構大きい)
M4(ばらけた感じ)
M92(少し小さめ)
M10&M12(きれいな球状星団)
銀河
M81&M82(M82の方が明るく感じる、濃淡や黒い模様もはっきり見える)
M51(親子だけでなく、腕もよく見える)
M104(ソンブレロの暗黒帯もよく見える、この場所では、南天は少し明るいので、フィルターをかけた方がはっきりする)
M101(とても大きく淡い、腕のような濃淡はわかるが、どちら巻きかは、わからない)
NGC4565(エッジオンで大きく明るい、模様のようなものも見える)
M64(中央集光が強い、黒目の模様はみにくく感じた)
M84(すぐ近くに、2つの銀河が3角形をなすように配置されていて、おもしろかった、3角の中心位置にも、もう一つの銀河があるように見えた。写真星図で確認したところ、M84, M86, NGC4388 + NGC4387だったようだ。)
M83(核が明るい、広がりはわかるが、コントラストが低く、うずまきはわからない)
M87(すぐ近くに、銀河のようなシミがいくつか見える)
M100(核が明るい、ひろがりがわかる)
惑星状星雲
NGC6543(少し青っぽく見える)
M27(ぼやけた感じで、濃淡はよくわからない)
M57(リングが明るい、中心星はわからない)
散開星団
M27(ファインダーでよく見える)

望遠鏡(18"UC)の導入装置のチェック2010年05月16日 13時46分01秒

この週末は新月なので、昨晩(5/15)は、ダメもとで近所の「きのこ山」に出かけてみた。ほしぞら予報では「夜半までは晴れ」になっていたものの、日没にかけて雲がどんどん厚くなってきた。PM 8時まで待ったが、風も強くなってきたので、引き上げた。

前回(5/8)及び前々回の観望の時に、導入装置(Argo Navis)の精度が出ていないことがわかった。高度エンコーダの数字の進み方が一様でないようだったが、暗かったこともあり、解決することができなかった。今日(5/16)は、空模様からも、観望は無理のようなので、明るいところでチェックすることにした。

望遠鏡(Obsession 18"UC)を組み立てて、エンコーダーまわりもセットした。
Argo NavisをEncoderモードにして、鏡筒の角度を変えつつ、エンコーダーの数値を確認した。方位軸は全く問題なしだったが、高度軸は、鏡筒を低くしていくと、47度あたりで数字が止まってしまっていた。このUltra Compactタイプのドブソニアン望遠鏡では、耳軸に相当するのは、円周の1/3くらいの円弧状の部品になっていて、円の中心に当たるところは全くの空間になっている。そこで、アーム状の部品(2枚)をベースプレートとミラーボックスに取り付けて、中心軸に当たる位置で交差させ、そこにエンコーダーを設置している。この2本のアームの取り付けがうまくいっていないことがわかった。

以前、中心軸の結合がゆるく(エンコーダー軸が、受け金具に完全に差し込まれていなかった)、低精度になったことがあったが、今回は、ベースプレート側のアームの取り付けに問題があった。ベースプレート側のアームの取り付けネジが通る穴は、大きめになっていて、アームの位置の微調整ができるようになっている。今回は、正しく無い位置でネジを締めて固定していたようだ。これまで、アームの止めネジは、鏡筒を垂直に向けた状態で固定していた。でも、アームの取り付け位置には自由度が大きく、微妙にずれた位置でも固定できてしまう。鏡筒の角度を大きく動かした場合にもエンコーダーの動きが妨げられないように、「角度を動かしてから」固定する必要があるようだ。完全に固定しない状態で鏡筒を何度か動かしておくと、「正しい位置」に収まるようだ。この点を配慮した(下記(4))新しい取り付け手順をまとめておく。

1) ミラーボックス側のアーム(エンコーダーが付いている方)を、側面に記された線にあわせて固定する(ネジを完全に締める)。
2) ベースプレート側のアームを、アーム上の固定金具をエンコーダー中心軸に差し込んでから、ベースプレート側への取り付ける。取り付けネジはゆめたままにする。
3) エンコーダー中心軸の固定金具の、固定ネジをしっかり締める。
4) 鏡筒を、垂直位置から水平近くまでまで動かし、エンコーダーがスムースに動くことを確認する。できれば、エンコーダーの配線もつなぎ、Argo Navisで実際に数値が正しく増減することを確認する。
5) ベースプレート側のアーム取り付けネジを締める。

エンコーダー自体の不具合なども覚悟していたが、ちょっとした取り付け方の問題で、本当によかった。次の観望では、どんどん導入して、たくさんの対象を見てみたいものだ。