18UC改造つづき2010年02月21日 20時43分24秒

Obsession 18"UCドブソニアンについて、光軸のズレを防ぐ改造を行っている。18"UCのトップリングは円筒ではなく、ドーナツ状の板なので、フォーカサーの部分がその重さによって下方にゆがんでしまう。これまで、(1) 板の厚みを増す、(2) 板の下にリブ板を付加する、などの改造を行って来たが、わずかな歪みを防ぐことはできていない。
3つめの改造として、支点となるトラスの取り付け部分を、スパイダーの取り付け位置からずらし、フォーカサーに近づけるようにすることにした。しかし、1度目は、ずらす方向を間違えてしまい、フォーカサーがずっと下方になり、覗くことがむずかしくなってしまった。
その後、取り付け位置を逆方向にずらし、鏡筒の上下動の面に対して90度の角度になるようにした(オリジナルのトップリングは、トラスト取り付け位置は0度と120度にあり、その結果、フォーカサーは上から60度の位置にあった)。
今回、再改造後、はじめてレーザーで光軸をチェックした。ずれは小さくは成っているが、まだ、主鏡上で3~4 mm程度動いている。
小さくはなっているようなので、この方針が全く間違っているわけでもなさそうだが、「アルミ合金の剛性」と「フォーカサーとトラス取り付け位置の距離」は、光軸ズレを無視出来る程度とするには十分では無いようだ。90度よりも少し下向きになってしまうが、フォーカサー位置を、さらにトラス取付部に近づけることにした。
効果は、まだ、確認していないが、楽しみだ。これで解決できていなければ、トップリング自体の形状を変えるしかないと考えている(リブを全周に導入して円筒状の構造とする)。その場合は、個人の工作も受け付けてくれる業者に頼むことになるだろう。
トップリングのアルミ板を提供してくれたアメリカのC氏は、1/2インチのアルミ板(ジュラルミン)で好結果をえているそうだが、かなり重量が増えている。カウンターウエイトを付加することで使用には支障は無いようだが、軽量化のために材質をグラスファイバーに変える予定だそうだ。彼のやる気には敬服している。結果を知らせてもらうのが楽しみだ。こちらも良い結果を早く報告できるようにしたい。

コメント

_ uto ― 2010年02月24日 14時29分23秒

18"UCに接眼部たわみの問題があるとは知りませんでした。
言われてみると確かに剛性が低いですよね。
しかしもともと完成度の高い望遠鏡ですから改修も大変そうですねえ。

フォーカサーを取り付けているアングル材やフォーかサー本体には問題ありませんか?(推測ですみません。)

改修がうまく行くことをお祈りしております。

_ K-Cube ― 2010年02月28日 23時07分02秒

utoさま、コメントありがとうございます。
トラスとの接合点が120度ずつの3点であることと、トップリングが筒ではなくて板(鏡筒垂直の時に、板をたわめる方向にフォーカサーの重力がかかる)であることが理由のようです。
フォーカサーがとりつけられている90度の板は1cm厚ジュラルミン削り出しで、しっかりしています。
アングル板による補強は良いアイデアだと思ったのですが、トラス取り付け位置がそのままでは、フォーカサー+アイピース類の重量にによるたわみは減るものの、無くならない状況でした。トラス取り付け部をさらにフォーカサーに近づけることで、無視出来る程度にならないかと期待しています。
「デザインはそのままで、高剛性で軽量な材料に変える」のは高価なので、補強材の追加と形状の改良でなんとかならないかと思っているのですが、ご指摘のとおり、なかなかむずかしいです。

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