トップリングの変形の考察2010年03月09日 21時10分34秒

utoさま、コメントありがとうございます。

utoさまのサイトは、光軸の合わせ方、役に立つ資料の紹介など、いつも参考にさせていただいています。

トップリングへのトラス取付金具は、ご指摘のとおりリングの外周側についています。リングの外周にリブのような構造があれば、もっと剛性が高まるのにと思います。金具自体は厚めの鉄材のようで、ネジを締めてしまえば、角度変化やガタはあまり無いように思います。ただ、トップリングのたわみよりも小さいだけかもしれないので、気を付けるようにします。
フォーカサーを取り付ける直角の部材(図では緑色)は、しっかりしています。

SN01847/L106-41さま、こんばんは

スパイダーとトラスの取り付け位置をずらすのは、ご指摘の通り、フォーカサーに加えて、スパイダーと斜鏡の位置も動くことが考えられます。ここは悩ましいところです。ずらした効果を確認する際には気を付けるようにします(でも、斜鏡ユニットがねじれるような複雑な動きになったりすると、訳が分からなくなるかもしれないです)。
ワイヤーについては、私は、最初の時点で、かなりテンションをかけるようなイメージを持っていました。でも、望ましい位置からずれようとするときに張力がかかればよいので、確かに低めのテンションですみそうな気がしてきました。なお、フォーカサーは、最初からFeather Touchが標準になっていました。

コメント

_ uto ― 2010年03月10日 05時21分17秒

丁寧なご回答ありがとうございました。
米国滞在用にと18UC購入を検討しておりますので、大変参考になります。
続報を楽しみにしております。

_ SN01847/L106-41 ― 2010年03月10日 18時25分00秒

Morgensternさん、こんばんは。

トラス取り付け位置とスパイダー位置の不一致は、確かに悩ましいところですよね。モデル化部分に限定した効果はきっとあるでしょうけど、今までは無視できたはずのその他多くの部位の影響が出てきますからね。
それは、トラスを含めた主要構造体だけによる支持に、トップリングの面内変形の要素が加わるからであり、それは一様ではなくなりますし経時でも微妙に変わってくるでしょう。
取り付け金具の剛性については、トラス構造であれば金具含めた構造体に加わるのは面内力だけですから、金具もシンプルかつ小型で大丈夫だと思います。ただ、金具の曲げ部には要注意です。曲げR近傍までを覆ったワッシャーによって締結時の面圧を充分利用できるように(構造体として一体化)しておきませんとR部が変形します。変形の量についても、ざっと計算してみると量こそ小さいものの、角変化に換算すると無視できない値になります。シンプルな構造であるからこそ注意が必要です。
それらをしっかり考慮することを前提とすれば、ワイヤーテンションは、水平時にジャスト・ゼロ程度でOKで、垂直時にもせいぜい数kg程度(=フォーカサー+フォーカサー・ブラケット+アイピースの質量によって発生する下向き力)で大丈夫のはずです。

どこか参考になって、改修・改造がうまく進むことを祈っていますね。utoさん同様、続報を楽しみにしていますね。私はHPやブログはやっていないのですが、個別メールをいただければドブの画像をお送りすることはできますので、その際にはご連絡ください。.....出張先ホテルから・Obsession仲間より

utoさん、米国滞在用に18UCですか!Wow、凄いですね!

_ uto ― 2010年03月11日 14時35分21秒

18UCはめちゃめちゃかっこいいと思いますので、一度は使ってみたいと思っています。
ただ帰国すると18inが2つになるので、ここのブログを参考にさせて頂きカスタマイズした後に18UCを売ろうかな?と、、。
すみません、自己中心的で、、。

_ SN01847/L106-41 ― 2010年03月11日 20時30分40秒

ですね。確かにコンパクトで機能的。これなら今のように運ぶのにミニバンはいらないし。
2001年に今のドブを購入して、その後Galaxy OpticsのJHさんとメール交わしていたら、半年ぐらい経ってJHさんがコンパクトなドブを作ったと言って写真を送ってくれたのですが、それがまさにUCのようなドブで「かっこいいな」と思いました。今はその時の写真がGalaxy Opticsのwebに載っています。
  http://www.galaxyoptics.com/GalaxyOpticsSKYOBSERVATORYwiththeSKY18Telescope.html
JHさんとDKさん、どちらの設計/製作が早かったのでしょうね。

_ Morgenstern ― 2010年03月11日 21時02分45秒

JHさんのSKY18の写真を見ました。
とてもよく似ていますね。気がつく違いは、ミラーボックス側のトラスの取り付け(18UCは3箇所、SKY18は5箇所)、仕上げ(1点ものだからか、塗装などがキレイにみえる)あたりでしょうか。
私にtop ringを分けてくれたCheyenneさんは、光軸の再現性や動きを改善するために、テフロンを耳軸受け全体にわたる細長いものから、小さなチップ4個に替えているそうです。SKY18は、そのようになっています。
基本的なところ(ミラーボックス周りや、トップリング)が全く同じなので、二人で情報交換しながら作られたのかな?と思いました。

_ SN01847/L106-41 ― 2010年03月11日 21時32分56秒

Morgensternさん、こんばんは。

写真のトップリング付近、フォーカサー/ファインダーの位置と、トラス/スパイダーの位置関係をよーく見てみてください。

_ Morgenstern ― 2010年03月12日 00時26分51秒

SN01847/L106-41さん こんばんは
フォーカサーとファインダー、ハンドルの配置については、ファインダーの位置関係が逆なので左利き用かな?くらいにみていましたが、もっと重大な違いがありました。
トップリング上のスパイダーとトラスの接合位置は一致している(18UCと同じ)が、フォーカサーは2つの接合位置の中間ではなく、一方の接合点に寄せており、トップリングのゆがみの点で有利になっているわけですね。
確かに、フォーカサーの位置は、スパイダーが邪魔にならない程度には、一方に寄せても問題はなさそうです。一見、対称性が高く、見た目がきれいなので、この位置関係は変えられないと思い込みをしていました。どのくらい寄せられるかは確認してみないと分からないですが、改良の突破口になるかもしれないと思います。
とても参考になる画像を教えていただき、ありがとうございます。

_ SN01847/L106-41 ― 2010年03月12日 03時13分53秒

Morgensternさん、こんばんは。

4つの大切なことが観察されます。

1.フォーカサー位置が、トラス結合点近傍におかれていること。
2.ファインダー位置が、トラス接合点をはさんでフォーカサーのほぼ力学的対称位置におかれていること。
3.操作ハンドルの位置が、ほぼトラス接合点位置におかれていること。
4.上記1.2.3.を実現しがらも、トラス接合点とスパイダーはしっかり一致させていること。
です。

1.はフォーカサー位置におけるトップリングの撓み、捩れを(レイアウト可能な範囲で)最小限にしていること。
2.はトラス接合点近傍においたフォーカサーの撓みを「さらに」減らしていること。
3.は望遠鏡操作時のトップリングの歪みを最小限にしていること。
4.は、1.2.3.を実現しながらもスパイダーへのスケアリングの影響を無くしている。
ということです。

この望遠鏡の設計者は、最初に観察時の姿勢からフォーカサー位置を決め、次にその条件でトップリング周りを力学的にも合理的にレイアウトし、それらのことを維持しながら望遠鏡全体としての対称性を考えながらトラスの下側(ミラー側)接合点を必然性をもって決定した。
というようなことが推察されます。

_ SN01847/L106-41 ― 2010年03月12日 03時42分41秒

一方で、Obsession-UCは、運搬&組立時の光軸再現性を考えたトラス構造(6本連結)が重要視されたように思います。
それぞれに設計者の思いが構造からにじみ出てきて興味深いです。
私のアイデア(細ワイヤー)は、Obsession-UCの基本思想を維持しながら、(フォーカサー位置における)トップリング周りの撓みの影響を質量をかけずに「キャンセルさせる」方法ですが、JHさんとDKさんそれぞれの設計思想を頭に描きながら改良に取り組むことは、とても楽しいことでもありますね。

続報を期待させてください。

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