スムーズな動きを実現するには2010年03月15日 23時54分56秒

18"UCのゆがみ問題が、SN01847/L106-41さん、utoさんのアドバイスのおかげで解決出来ました。こうなると、もっと良い状態にしたいという欲がでてきました。
他の方のドブを操作したことがないので、本当にスムースに動く状態というのがどのような感じかは、はっきりはわからないのですが、動き出しに力がいる、動き出すとある程度動いてしまう、といった傾向がやや大きいように感じています。特に、天頂近くに向けた状態での水平回転にその傾向があります。

SN01847/L106-41さん、utoさんのご紹介で、utoさんのsiteの過去ログを見ると、
・機材の弾性変形は、スムーズな動きの障害になる
・テフロン板の大きさ(と、それによる接地圧)が動きに影響する
・テフロンと相手の素材の間に潤滑材(ワックス?)を塗ることもある
・液体ではなく、テフロン粉やホウ素粉の潤滑剤が良い場合もある
・水平回転部分のテフロンは、微妙な高さの調整が効く
といったことが目につきました。

みなさんの議論の前提がよくわかっていないのと、私の知識が不足していることもあり、書き込みだけからは、よく分からないところもありました。でも、SN01847/L106-41さんが、コメントで丁寧に解説してくださり、かなり理解することができました。弾性変形が動きに影響する理由、スムーズな動きを実現するためには静止摩擦と動摩擦をどうすべきか、推奨される潤滑剤、は、とてもよく分かりました。ありがとうございます。

ちなみに、潤滑剤としては、18"UCのマニュアルに載っていたArmor Allの液体ワックスを高度軸側に、水平軸にはテフロン粉のスプレーを使っています。ですが、効果は目に見えて変化するというほどでは無い感じです。

これからは、毎回の観望では「全体の剛性を高めるために、接続部分をしっかり締める」ことに注意するようにしようと思います。また、次の改造(?)プロジェクトは、「水平軸のテフロンの高さの微調整」あたりから試してみようと思っています。

コメント

_ SN01847/L106-41 ― 2010年03月16日 19時10分09秒

Morgensternさん、こんばんは。

光軸の件が一件落着して、次は動きのほうの改良ですね。
スムーズな動きが実現できれば、(自身の経験からも)500~600倍はもちろん800倍ぐらいの高倍率でも充分手動ガイドできるような滑らかな動き(スゥーッと動いてスッと止まる動き)が得られると思いますから、微小DSO(Deep-Sky Objects)や惑星観察にもストレスなく使えるようになります。是非うまく進めて実現していただきたいですね。

Morgensternさんの元メッセージから、【a】.動き出しに力がいるが動き出すとある程度動いてしまうといった傾向がやや大きい、【b】.特に天頂近くに向けた状態での水平回転にその傾向がある、【c】.高度軸にはアーマオールを水平軸にはテフロン粉のスプレーを使用されているが共に効果がよく見えない、という3つの事実情報が窺えました。

【a】は、摺動部の静摩擦係数μsが動摩擦係数μdに比べ(Morgensternさんの期待値以上に)大きいこと、and/or どこかに弾性変形による局所的な撓みが生じている、という2つの原因が考えられます。この点については、一つ前の元メッセージへのコメントにも書きましたように、1.各部の「撓み」特にトラス支持点近傍の(望遠鏡操作力を加えた際の)撓みの有無をチェックしそれがある場合にはそれを無くすこと(特に部材の曲げ変形には要注意です)、2.μsの小さい潤滑剤を薄く塗布してみること(個人的な推奨はシュアラスター・固形カルナバ・ワックス)をお勧めします。

【b】はこの手のトラス式ドブソニアンで最も動きのチューニングが難しいところです。それは、【a】に加えて、加える操作力のモーメントアームが小さいこと(=そもそも加える力が大きくなる)、綺麗な偶力を加えるのには慣れがいること、トラスポールの途中を掴んで操作しがちなためトラスポールに曲げを与えやすい(=弾性変形のエネルギーが溜まりやすい)という理由からです。これは操作する際にできるだけ両手でトラス支持点近傍に均等な(反対方向の)力を加えるという操作をすることで改善される場合がありますので、まずそれを試してみてはいかがでしょう。それでもうまくいかない場合には【a】と同様の処置を行うと良いと思いますが、垂直状態(仰角90度)で丁度良い操作力を決めてしまうと、望遠鏡が普通の仰角にある時の操作力が軽くなりすぎたり、風が強い時に風見鶏のようになってしまいますから注意してください。コツは「垂直状態ではやや重めで滑らかな操作感」を得られるようにすることです。
また、18-UCの水平回転軸周りの構造(回転軸やテフロン・パッドの配置・数・大きさなど)が分かりませんので、もしお分かりであれば教えてただけませんか?何か思いつくことがあるかもしれません。

【c】に関して、Armor All(アーマオール)は自身でも2001年のObsession-18"購入当初にD.Kriegeさんのお勧めで使っていましたが、湿度が高めで気温が低い時には動き出しがあまり滑らかではありませんでした(μsが高くなるような感じ)。他の液体系潤滑剤でも同様の傾向でした。この点についてはかなり試行錯誤を繰り返しましたが、最終的には潤滑剤を固形カルナバ・ワックスに置換し、これを均一に薄く塗布することで解決しました。テフロン粉のスプレーは使ったことがありませんので効果については分かりません。

参考になれば幸いです。

_ Morgenstern ― 2010年03月16日 21時38分41秒

SN01847/L106-41さん、こんばんは

ていねいに説明していただき、ありがとうございます。教えていただいたことをもとに、少しずつやっていこうと思います。

コメントからは、うまく調整されたドブソニアンでは、かなり繊細で快適な操作感であることが伝わってきます。元の構造の違いもあるので、そこまでできるかどうかは分かりませんが、励みになります。

弾性変形の影響は、このドブの軽量構造のせいもあり、無視できないと思いますが、一方で「ここを直せばよくなる」というところは、まだ分からないです。組み立てや、操作の際に、気を付けるようにします。

直立時の扱いは、ご指摘の通り、ハンドルや、トラスポールをつかんで、片手でやっていたので、偶力になっていない面はあったと思います。まずは操作方法自体を意識するようにします。

水平軸まわりについては、隙間にテフロン粉のスプレー(スリーボンド1810C)を吹いていました。水平軸の構造は、外したことが無いので構造はよく分から無いです。隙間を覗くと、3、4箇所くらいテフロンチップが入っているようでした。

潤滑剤については、おすすめの固形ワックスを探してみようと思います。水平軸に塗る際には、ついでに構造も確認できますね。

_ uto ― 2010年03月17日 15時01分15秒

天頂の天体はやがて西に傾き高度が落ちてきますから、最高の条件で星を見たい時や特別な現象が起こる場合を除き、そういった条件下での観察を捨てても問題はないと思います。
つまりがんばって天頂を見るための対策を施し、低空を見る時に風見鶏になってしまっては駄目なので、ある程度の高度でのドブの動きに着目した方が良いような気がします。
私は天頂を観察するとき脚立の一番上に登らなければならないし、主鏡がずれてしまう恐れがあるため、専ら他人のドブを覗かせて貰っています。
(まじめな話の腰を折ってしまいすみません。)

_ Morgenstern ― 2010年03月17日 21時12分36秒

utoさん こんばんは

コメントありがとうございます。
SN01847/L106-41からも、直立状態の動きにとらわれ過ぎると、かえって使いにくいものになってしまう可能性を指摘していただきました。いじりすぎて、かえって、よく使う領域の使い勝手が悪くならないように注意しながら調整していきます。

_ SN01847/L106-41 ― 2010年03月18日 18時31分43秒

Morgensternさん、こんばんは。

Obsession Telescopeのweb siteにあった”Cloudy Nights Telescope Reviews”の下記リンク記事を閲覧していて気が付いたのですが、
 http://www.cloudynights.com/item.php?item_id=1669
トラスポール上下の取り付け点(支持部)のBRKTは、本当にトラスポール軸方向の力だけを想定して設計されているように思えます。言い換えれば、トラスポール自体を掴んで操作すると大なり小なり必ずBRKTに曲げが加わりそうです(=弾性変形エネルギーが溜まる)。これは軽量化の一環としての割り切った設計構造のように思えます。
従って、望遠鏡の操作はUTAの支持点近傍を持って行うことを基本としたほうがよさそうですね。
そういう操作をした場合の動きについて確認されてみてはいかがでしょう?

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